Pythonの変数宣言の方法とは?型ヒント(type hints)の使い方
生徒
「Pythonで変数ってどうやって作るんですか?『宣言』っていう言葉もよく聞きます。」
先生
「Pythonの変数宣言はとてもシンプルなんですよ。それに、型ヒント(type hints)を使うことで、どんな種類のデータを扱っているかも明確になります。」
生徒
「型ヒントってなんだか難しそうですね……」
先生
「大丈夫。今回はPythonの変数の使い方と型ヒントの基本を、初心者でもわかるようにやさしく解説していきます!」
1. Pythonの変数とは?宣言と代入の基本
Pythonでは、変数(へんすう)はデータに名前をつけて保存する箱のようなものです。変数の宣言(作成)はとても簡単で、次のように書くだけです。
name = "たろう"
age = 20
height = 175.5
「=
」の左側が変数名、右側がその中に入れる値(データ)です。このようにPythonでは値を代入することで変数が作られます。
2. 変数に使える名前のルール
変数名にはいくつかルールがあります。
- 英数字とアンダースコア(
_
)のみ使える - 数字で始めてはいけない
- Pythonの予約語(
if
、for
など)は使えない
読みやすさのために、user_name
のようにアンダースコアで区切るのが一般的です。
3. Pythonは動的型付け言語
Pythonは動的型付けという特徴を持っています。これは、変数の型(データの種類)を宣言しなくても自動で判別してくれるということです。
number = 10
message = "こんにちは"
number
には整数(int)、message
には文字列(str)が入っていますが、Pythonが自動で判断してくれます。
4. 型ヒント(type hints)とは?
型ヒントとは、「この変数はどんな型のデータを扱うのか」を明示するための仕組みです。Python3.5以降で使えます。
基本の書き方は、変数名: 型 = 値
です。
name: str = "たろう"
age: int = 20
height: float = 175.5
型ヒントはプログラムの動作には影響しませんが、コードの見やすさや予期しないミスを減らすのに役立ちます。
5. よく使う基本の型ヒント一覧
Pythonでよく使う型ヒントは次のとおりです。
int
:整数(例:1, -3)float
:小数(例:3.14)str
:文字列(例:"こんにちは")bool
:真偽値(TrueかFalse)list
:リスト(例:[1, 2, 3])dict
:辞書(例:{"名前": "たろう"})
Python3.9以降では、list[int]
やdict[str, int]
のように中身の型まで書けます。
6. 関数でも使える型ヒント
型ヒントは関数にも使えます。引数や戻り値の型を示すことで、関数の使い方が分かりやすくなります。
def greet(name: str) -> str:
return "こんにちは、" + name + "さん!"
name: str
は引数の型、-> str
は戻り値の型を表しています。
7. ListやDictを使う型ヒント
リストや辞書など複雑な型にヒントをつけたい場合、Python3.9以前ではtyping
モジュールが必要です。
from typing import List, Dict
numbers: List[int] = [1, 2, 3]
profile: Dict[str, str] = {"名前": "たろう", "趣味": "ゲーム"}
Python3.9以降なら、次のように書けます:
numbers: list[int] = [1, 2, 3]
profile: dict[str, str] = {"名前": "たろう", "趣味": "ゲーム"}
8. Optional型とNoneの使い方
「値があるかもしれないし、ないかもしれない」場合には、Optional
型を使います。これは、None
(値が存在しないこと)を許容するという意味です。
from typing import Optional
nickname: Optional[str] = None
また、関数が値を返さない場合は、戻り値の型をNone
にします。
def say_hello(name: str) -> None:
print("こんにちは、" + name + "さん!")