Pythonの仮想環境とは?venvを使った環境構築の手順を初心者向けに解説
生徒
「Pythonの勉強をしていたら、『仮想環境(かそうかんきょう)』って言葉が出てきたんですけど、これって何なんですか?」
先生
「仮想環境とは、Pythonの作業場所を仕切って、他のプロジェクトと分けて管理できる仕組みのことです。venvというツールを使うと、簡単に作れますよ。」
生徒
「プロジェクトを分けるって、どういうことですか?」
先生
「例えば、同じパソコンの中で違うバージョンのライブラリを使いたいときなどに、仮想環境が役立つんです。詳しく説明していきますね。」
1. Pythonの仮想環境とは?わかりやすく解説
Pythonの仮想環境(virtual environment)は、パソコンの中にあたかも別のPythonの部屋を作るような仕組みです。Pythonのライブラリやツールを、その仮想の部屋の中だけにインストールして使うことができます。
これにより、他のプロジェクトに影響を与えずに、それぞれのプロジェクトごとに必要な設定やライブラリを使い分けることができます。
2. なぜ仮想環境が必要なの?初心者でもわかる理由
仮想環境を使う一番の理由は、Pythonのライブラリのバージョンがプロジェクトごとに違うことが多いからです。
たとえば、Aというアプリでは「requests」というライブラリの古いバージョンを使い、Bというアプリでは新しいバージョンを使いたい場合、仮想環境がないと設定がぶつかってしまいます。
そこで、プロジェクトごとに仮想環境を作って、その中にだけ必要なものを入れて使うことで、混乱を防げます。
3. venvとは?Pythonで仮想環境を作る標準ツール
venv(ヴェンブ)は、Pythonに最初から入っている「仮想環境を作るためのツール」です。追加でインストールする必要がなく、すぐに使えます。
このvenvを使って、簡単に仮想環境を作成・管理できます。
4. 仮想環境を作成する手順(Windows・Mac・Linux対応)
まずは仮想環境を作りたいフォルダ(作業場所)を作ります。たとえば「myproject」という名前のフォルダを用意しましょう。
次に、ターミナルやコマンドプロンプトを開いて、以下のコマンドを入力します。
python -m venv venv
このコマンドで、venv
という名前の仮想環境フォルダが作られます。
5. 仮想環境を有効化(アクティベート)する方法
仮想環境を使うには、有効化(アクティベート)する必要があります。
- Windowsの場合:
venv\Scripts\activate
source venv/bin/activate
成功すると、ターミナルの先頭に「(venv)」と表示されます。これで仮想環境の中に入った状態になります。
6. 仮想環境でライブラリをインストールしてみよう
仮想環境をアクティベートした状態で、ライブラリをインストールすると、その仮想環境の中にだけインストールされます。
たとえば、requestsというライブラリをインストールするには以下のように入力します。
pip install requests
インストールされたライブラリは、他のプロジェクトには影響を与えません。
7. 仮想環境を終了(無効化)する方法
作業が終わったら、仮想環境を終了しておくと安心です。
次のコマンドで仮想環境を無効化(ディアクティベート)できます。
deactivate
これで元の環境に戻ることができます。
8. 仮想環境のフォルダ構成と覚えておきたいポイント
venvで作った仮想環境には、次のようなフォルダができます。
- Scripts(またはbin):Pythonを実行するファイルが入っている
- Lib:インストールされたライブラリが入っている
- pyvenv.cfg:仮想環境の設定ファイル
このフォルダごと削除すれば、仮想環境自体を完全に消すこともできます。