PHPのSOAP APIの基本と使い方を完全解説!パソコン初心者でもわかるAPI開発入門
生徒
「PHPでAPI開発をするときに、SOAPって聞いたんですが、そもそも何なんですか?」
先生
「SOAPは、コンピュータ同士が決まったルールで情報をやり取りするための仕組みのひとつです。PHPではSOAP APIを使って、外部サービスと安全に通信できます。」
生徒
「APIっていう言葉もよく分からなくて…パソコンもあまり触ったことがないんです」
先生
「大丈夫です。APIやSOAPの意味から、PHPでの使い方まで、順番にゆっくり説明していきます。」
1. APIとは何かを超かんたんに説明
APIとは、コンピュータ同士が情報をやり取りするための「受付窓口」のような仕組みです。人が役所で手続きをするときに、決められた窓口に行って用件を伝えるのと同じで、コンピュータもAPIを通してお願いや質問をします。
たとえば、スマートフォンの天気アプリは、自分で空を見て天気を判断しているわけではありません。天気予報を提供しているサービスのAPIに対して、「今日の東京の天気を教えてください」と問い合わせを行い、その結果を画面に表示しています。
APIを使うと、必要な情報だけを自動で受け取れるため、人が手作業で調べる必要がありません。PHPのAPI開発では、この仕組みを使って、外部サービスからデータを取得したり、逆に自分の作ったサービスの情報を他のシステムに渡したりします。
とても簡単なイメージとしては、「PHPが手紙を書いてAPIに渡し、返事の手紙を受け取る」と考えると分かりやすいです。
<?php
// APIに「こんにちは」と送って、返事を受け取るイメージ
$response = "こんにちは、APIからの返事です";
echo $response;
?>
この例では実際に通信はしていませんが、「お願いを送って、結果を受け取る」というAPIの基本的な考え方を表しています。まずは、この流れをイメージできるようになることが大切です。
2. SOAPとは何か?RESTとの違いも理解しよう
SOAPとは「Simple Object Access Protocol」の略で、API通信のやり取りをきっちり決めたルール(決まりごと)です。少し堅い仕組みに見えますが、その分「間違いなく伝える」ことを大切にしています。たとえるなら、口約束ではなく、項目がそろった申込書に書いて提出するようなイメージです。
SOAPは、XMLという文章形式でデータを包んで送ります。XMLは「名前」「値」といった情報をタグで囲んで整理できるので、受け取る側が読み間違えにくいのが特徴です。初心者の方は、XMLを「ラベル付きの荷物みたいに、中身が分かる形で梱包する方法」と考えると理解しやすいです。
<Envelope>
<Body>
<Hello>こんにちは</Hello>
</Body>
</Envelope>
上の例は、SOAPが「箱(Envelope)」の中に「本文(Body)」を入れて送る雰囲気を表したものです。実際のSOAPメッセージはもう少し情報が増えますが、基本は「決まった箱に入れて送る」という考え方です。
一方で、REST APIはもっと軽くて自由な作りが多く、サクッと使える場面が得意です。SOAP APIはルールが厳密なので、やり取りの形式がそろい、認証やエラーの扱いも含めて安定しやすいです。そのため、銀行、基幹システム、企業の業務連携など、正確さと信頼性が重要な場面で今もよく使われています。
3. PHPでSOAP APIを使うための準備
PHPでSOAP APIを使うには、まずPHPにSOAP機能(SOAP拡張)が入っている必要があります。多くのレンタルサーバーや開発環境では最初から有効になっていますが、もし動かないときは「SOAPが使える設定になっているか」を確認するのが最初の一歩です。
もうひとつ大事なのが「WSDL(ウィズデル)」です。WSDLはSOAP APIの説明書で、どんな命令が用意されているか、どんな順番で情報を渡すか、返事はどんな形で返ってくるかがまとまっています。初めての方は、WSDLを「メニュー表」だと思うと分かりやすいです。メニュー表があるから、注文できる料理(使える機能)がはっきりします。
たとえば、WSDLがあるSOAP APIなら、PHP側は「このURLの説明書を読んで、そこに書かれた呼び出し方でお願いする」という流れになります。逆に言うと、WSDLが分からないと、どこに何を送ればいいか迷子になりやすいです。
<?php
// WSDL(説明書)のURLを指定して、SOAPの窓口を作るイメージ
$wsdl = "https://example.com/service?wsdl";
$client = new SoapClient($wsdl);
// ここでは実行はせず、「準備としてSoapClientを作る」ところまで
echo "SOAPの準備ができました";
?>
このサンプルは「SOAP APIに接続する前の準備」を表しています。ポイントは、WSDLを指定してSoapClientを作れる状態になっていれば、SOAP APIとやり取りする土台が整った、ということです。
4. PHPのSoapClientとは何か
PHPにはSoapClientというクラスが用意されていて、SOAP APIに「接続して話しかける役」を担当します。クラスという言葉は難しく聞こえますが、ここでは「便利な機能がひとまとめになった道具箱」くらいの理解で大丈夫です。
SoapClientを使うと、SOAP APIに送るXMLをいちから手で作らなくても、必要な情報を渡すだけで、送信に必要な形に整えてくれます。逆に返ってきた結果も、読みやすい形にまとめて返してくれるので、初心者でも迷いにくいのがポイントです。
たとえるなら、SOAP APIが「海外の役所」だとすると、SoapClientは「申請書の書き方も手続きの順番も分かっている案内係」です。こちらは用件を伝えるだけで、決まった手順に沿って話を進めてくれます。
<?php
// SoapClientを用意して「窓口」を作るイメージ(例のURLはダミーです)
$wsdl = "https://example.com/service?wsdl";
$client = new SoapClient($wsdl);
// ここでは本当に呼び出さず、準備できたことだけを表示します
echo "SoapClientを作成できました";
?>
このサンプルで大事なのは、SoapClientが「SOAP APIにアクセスするための入口」を作っている点です。まずはこの入口を作れるようになると、SOAP APIとのやり取りがぐっと現実的になります。
5. PHPでSOAP APIを呼び出す基本の流れ
PHPでSOAP APIを呼び出す流れは、いくつかの決まった手順に沿って進めます。まずはWSDLを指定してSoapClientを作成し、「どんなAPIと話すのか」をPHPに教えます。ここまでが、電話をかける前に相手の番号を登録するような準備段階です。
次に、WSDLに書かれている命令名を使って、SOAP APIにお願いを送ります。このとき、必要な情報を一緒に渡すと、SOAP APIはその内容を受け取って処理を行います。処理が終わると、結果が返ってきます。
返ってきた結果は、そのまま画面に表示したり、計算や判定に使ったりできます。初心者の方は、「呼び出す → 返ってくる → 使う」という三つの流れを押さえるだけで十分です。
<?php
// WSDLを指定してSoapClientを作成
$wsdl = "https://example.com/service?wsdl";
$client = new SoapClient($wsdl);
// APIに用意されている命令を呼び出すイメージ
// (ここでは実際の通信はせず、結果を想定しています)
$result = "APIからの結果です";
// 返ってきた結果を表示
echo $result;
?>
このサンプルでは、実際のSOAP通信は行っていませんが、「命令を呼び出して、結果を受け取る」という基本の形を表しています。まずはこの流れを頭の中で整理できるようになると、SOAP APIの全体像がぐっとつかみやすくなります。
6. SOAP APIで使われるXMLとは
SOAP APIでは、データのやり取りにXML(エックスエムエル)という文章形式を使います。XMLは、情報に「名前札」を付けて整理できる書き方で、どのデータが何を意味するのかが分かりやすくなるのが強みです。手書きのメモだと読み間違いが起きやすいですが、XMLは項目がきちんとそろうので、受け取る側が迷いにくくなります。
たとえば「名前」と「年齢」を送る場合でも、ただ並べるのではなく、タグで囲んで区切ります。タグとは、情報の前後に付ける目印のことです。目印があると、「これは名前」「これは年齢」とはっきり分かるので、データの取り違えを防げます。
<User>
<Name>たろう</Name>
<Age>20</Age>
</User>
この例では、<Name>の中が名前、<Age>の中が年齢だと一目で分かります。SOAPはこうしたXMLを、決まった形(箱)に入れて送ることで、通信の内容を正確にそろえます。
なお、PHPでSOAP APIを扱うときは、XMLを自分で毎回書く場面は多くありません。多くの場合はSoapClientが裏側でXMLを組み立てたり、返ってきたXMLを読みやすい形に直したりしてくれます。初心者のうちは「SOAPでは中身はXMLで動いているんだな」と知っておくだけでも十分役に立ちます。
7. SOAP APIが向いているケース
SOAP APIは、「とにかく正確に、間違いなく情報をやり取りしたい」場面に向いています。たとえば、支払い金額や口座番号、顧客の登録情報など、少しのミスでも大きな問題につながるデータを扱う場合です。こうした情報は、形式がバラバラだとトラブルになりやすいため、ルールが厳密なSOAP APIが選ばれます。
また、会社の中で使われている業務システム同士をつなぐ場合にもSOAP APIはよく使われます。受注管理システムと請求システムを連携させるなど、「決まった手順で、決まった形式のデータをやり取りする」必要があるときに強みを発揮します。
通信のルールやエラーの扱い方が細かく決まっているため、想定外のデータが来たときにも気づきやすく、長期間安定して運用しやすいのが特徴です。そのため、銀行、保険、基幹システムなど、長く使い続ける前提のサービスで今も多く利用されています。
<?php
// 重要なデータを「決まった形式」で受け取るイメージ
$orderResult = "注文データを正しく受信しました";
echo $orderResult;
?>
この例のように、SOAP APIは「正しく届いたかどうか」を重視する仕組みです。スピードや手軽さよりも、信頼性と安全性を優先したい場面で、PHPのSOAP APIは特に力を発揮します。
8. 初心者がつまずきやすいポイント
初心者が最初につまずきやすいのは、専門用語の多さです。SOAP、WSDL、XMLといった言葉が一気に出てくるため、「何から覚えればいいのか分からない」と感じやすくなります。これは多くの人が通る道なので、心配しすぎる必要はありません。
大切なのは、最初から完璧に理解しようとしないことです。「SOAPは通信のルール」「WSDLは説明書」「XMLはデータの書き方」というように、役割だけをざっくり押さえておくと、記事の内容が少しずつ頭に残りやすくなります。
また、動かないときにエラー表示を見るのも初心者には難しく感じがちです。意味が分からなくても、「今はそういうもの」と受け止めて、少しずつ慣れていくことが大切です。
<?php
// まずはエラーを気にせず、表示できるか試すだけでもOK
echo "SOAPの勉強中です";
?>
このように、小さな確認を重ねながら進めることで、PHPのSOAP APIにも自然と慣れていきます。最初は分からないことが多くても、使っていくうちに全体の流れが見えてくるので安心してください。