Pythonで辞書の深いコピーと浅いコピーの違いを理解する 初心者向け完全ガイド
生徒
「Pythonで辞書をコピーするときに『浅いコピー』とか『深いコピー』って聞くんですが、何が違うんですか?」
先生
「浅いコピーと深いコピーは、コピーした後に元のデータとどのくらい影響し合うかが違います。特にネストされた辞書ではこの違いが重要です。」
生徒
「ネストされた辞書というのは、辞書の中にさらに辞書が入っている形のことですか?」
先生
「そうです。それでは、浅いコピーと深いコピーの基本と違いを順番に見ていきましょう!」
1. 浅いコピーとは?
浅いコピーは、辞書そのものを新しく作りますが、辞書内に含まれるオブジェクト(リストや別の辞書など)はコピーせず、同じものを参照します。つまり、外側だけ複製され、内側は共有されます。
original = {"name": "Taro", "scores": [80, 90]}
shallow_copy = original.copy()
shallow_copy["scores"][0] = 100
print(original)
{'name': 'Taro', 'scores': [100, 90]}
外側の辞書は別物ですが、scoresリストは共有されているため、片方を変更するともう一方にも影響します。
2. 深いコピーとは?
深いコピーは、外側の辞書だけでなく、その中にあるリストや別の辞書も含めてすべて新しくコピーします。そのため、片方を変更してももう一方に影響しません。
import copy
original = {"name": "Taro", "scores": [80, 90]}
deep_copy = copy.deepcopy(original)
deep_copy["scores"][0] = 100
print(original)
{'name': 'Taro', 'scores': [80, 90]}
copy.deepcopy()を使うことで、内側のオブジェクトも別々に複製されます。
3. ネスト辞書での違い
辞書の中にさらに辞書が入っている「ネスト構造」では、浅いコピーと深いコピーの違いが特に分かりやすくなります。
original = {"team": {"leader": "Yamada", "members": 5}}
shallow_copy = original.copy()
shallow_copy["team"]["members"] = 10
print(original)
{'team': {'leader': 'Yamada', 'members': 10}}
浅いコピーでは内側の辞書は共有されるため、元のデータも変更されます。
import copy
deep_copy = copy.deepcopy(original)
deep_copy["team"]["members"] = 15
print(original)
{'team': {'leader': 'Yamada', 'members': 10}}
深いコピーなら、内側の辞書も別物になるため、元のデータは影響を受けません。
4. どちらを使うべきか?
- 辞書の中身が単純な場合(数値や文字列のみ) → 浅いコピーで十分
- 辞書の中にリストや別の辞書が入っている場合 → 深いコピーがおすすめ
浅いコピーの方が処理は速いですが、意図しないデータの変更が起きる可能性があります。ネスト構造やリストを含む場合は深いコピーを使うと安心です。
5. 実用例:設定データのコピー
アプリケーションの設定ファイルを扱う場合、元の設定を残しながら変更したいことがあります。浅いコピーでは内部のリストや辞書が共有されてしまうため、設定が意図せず変わる危険があります。
default_config = {
"theme": "light",
"options": {
"font_size": 12,
"show_line_numbers": True
}
}
import copy
custom_config = copy.deepcopy(default_config)
custom_config["options"]["font_size"] = 16
print(default_config)
{'theme': 'light', 'options': {'font_size': 12, 'show_line_numbers': True}}
このように、deepcopy()を使うことで安全に元の設定を保持したまま変更できます。
まとめ
浅いコピーと深いコピーの違いを振り返る
ここまで、Pythonにおける辞書の浅いコピーと深いコピーについて、基本から実例まで順番に学んできました。 辞書はPythonで非常によく使われるデータ構造であり、設定情報やユーザー情報、状態管理など、さまざまな場面で活躍します。 そのため、辞書をコピーする場面も多く、コピーの仕組みを正しく理解していないと、思わぬ不具合につながることがあります。 浅いコピーは辞書そのものは新しく作られますが、内部にあるリストや別の辞書は元のデータと同じものを参照します。 その結果、コピーした側を変更したつもりでも、元の辞書の中身が一緒に変わってしまうことがあります。 一方で深いコピーは、外側だけでなく内側のデータ構造もすべて新しく複製するため、 コピー後にどちらを変更しても、もう片方に影響を与えることはありません。 この違いを理解することは、Python初心者にとって非常に重要なポイントです。
ネスト構造の辞書で特に重要になる理由
辞書の中に辞書やリストが入っているネスト構造は、実際のプログラムではとても一般的です。 たとえばアプリケーションの設定データ、JSON形式のデータ、APIから取得した情報などは、 多くの場合ネストされた辞書として扱われます。 こうしたデータを浅いコピーで複製すると、内部の辞書やリストが共有されるため、 一部を変更しただけで元データ全体に影響が及ぶ可能性があります。 深いコピーを使えば、データ同士の関係を完全に切り離せるため、 安全にデータを編集したり、一時的な変更を加えたりすることができます。 特に複数人で開発するプログラムや、後から処理を追加する可能性がある場合には、 深いコピーを選ぶことでトラブルを未然に防ぐことができます。
理解を深めるためのサンプルプログラム
import copy
user_data = {
"user": "Hanako",
"skills": ["Python", "JavaScript"]
}
copied_data = copy.deepcopy(user_data)
copied_data["skills"].append("SQL")
print(user_data)
print(copied_data)
この例では、元の辞書とコピー後の辞書が完全に独立しているため、 スキル一覧を追加しても元のデータには影響がありません。 このような使い方は、学習用データの加工や設定情報のカスタマイズなど、 実務でもよく登場する場面です。 浅いコピーと深いコピーを適切に使い分けることで、プログラムの安全性と可読性が大きく向上します。
生徒「浅いコピーと深いコピーって、最初は名前だけだと分かりにくかったですけど、実際に動きを見ると違いがよく分かりました。」
先生「そうですね。特に辞書の中にリストや辞書が入っている場合は、動かして確認するのが一番理解しやすいです。」
生徒「設定データの例は、実際のアプリっぽくてイメージしやすかったです。」
先生「実務ではまさにああいったケースが多いです。元のデータを守りたいなら深いコピーが基本になります。」
生徒「これからは、辞書をコピーするときに中身の構造をちゃんと考えるようにします。」
先生「その意識がとても大切です。コピーの仕組みを理解できれば、Pythonのデータ操作が一段と楽になりますよ。」